新築ガレージハウスのハードル

いつかはマイガレージハウスとお考えの方も多いと思いますが、東京ガレージでは一つの選択肢として「中古ガレージハウス」を提案しています。

好きな立地に土地を買い、思い描いたままのガレージハウスを新築できるのが理想ですが、ガレージハウス建築は通常の住宅に比べて割高なコストが掛かります。
特に地価の高い23区エリアで土地購入+新築ガレージハウスとなると、並大抵の資本力では太刀打ちできない金額感となってしまいます。

ガレージハウスの建築コスト

土地の確保

ガレージハウス建築に適した建ぺい率の大きな土地

まず一般的な住宅と同様に土地の確保が必要です。
ガレージハウスの場合1Fが車庫となるため、主な居住エリアは必然的に2F/3Fとなります。
2階建てという手もありますが、ある程度の居住空間を考えると3階建てがベストでしょう。

仮に並列2台置きガレージを想定した場合、出入り口を含めて少なくとも40㎡程度の面積が必要となります。
では40㎡の土地を買えば良いか?といえばそうではありません。

都市計画法や建築基準法により地域・エリア毎に「建ぺい率/容積率」が定められており、土地面積に対して実際に建築できる面積が制限されているのです。
例えば、100㎡(建ぺい率:40%/容積率80%)の土地なら、建築面積40㎡且つ延べ床面積80㎡までしか建築できません。

つまり、建ぺい率40%の地域で建築面積40㎡のガレージハウスを建てるには100㎡の土地を用意する必要があるのです。(車庫の容積率緩和規定などの条件は省略して解説します)
しかも延べ床面積80㎡までしか建築できないので、基本は2階建てで居住部分は40㎡となってしまいます。これでは長期にわたり3-4人家族で暮らすには手狭でしょう。

より広い土地を探し建築面積を広げる手段もありますが、23区で最も地価の安い足立区でも平均42.7万円/㎡(100㎡で4,270万円)なのでそう簡単な話ではありません。
そこで同じ100㎡でも「建ぺい率60%/容積率200%」など建築面積を広くとれる土地を選定し、3階建てガレージハウスを建築するというのが都内では主流となっています。
これなら1Fをガレージとしても2F/3Fで100㎡以上の住居スペースを確保することができますね。

ただし、建ぺい率/容積率が大きく車の出し入れができる幅の広い道路に接している土地は周辺相場と比べて高額なケースがほとんどです。
こうした理由から一般住宅と比べて土地購入費用が割高になる傾向があるのです。

上モノの費用

建築途中のガレージハウス

建物についても一般住宅に比べて割高と言えます。
建ぺい率/容積率の都合から都内では3階建てが主流と説明しましたが、3階建ては強度の観点から建築費が高額になりがちです。
さらにガレージとなると開口部が広くなるため、より強固な設計が求められるのです。
強度面で木造が難しい場合、鉄筋コンクリート造(RC造)を用いるケースもありますが、建築費は木造比で1.5〜2倍を覚悟する必要があります。

RC造を前提に坪単価80万円、建築面積50坪(165㎡)とすると、建築費は約4,000万円。
前述した100㎡程度の土地と合わせると少なく見積もっても8,000万円の投資が必要になるのです。

住宅ローンの限界

住宅ローンの借入可能額を計算する男性

生涯住むガレージハウスだから清水の舞台から飛び降りる覚悟で高額な住宅ローンを組めばいい!
そう考えるかもしれませんが、無謀な返済プランでは借入審査を通過することはできません。

住宅ローンでは主に返済負担率・融資率を基準に借入可能額が算出されます。
住宅ローンの定番「フラット35」の例では、返済負担率(年間の返済額合計÷額面年収✕100)が年収400万円未満で30%以下・年収400万円以上で35%以下とされています。

また、融資率(借入額÷土地を含む建築費✕100)は9割超で金利1.590%・9割以下で金利1.330%が適応(2021/12時点)されます。返済負担率で借入可能額が判断される仕組みなので、金利が低い方が総借入額も増やせるという理屈ですね。

では具体的にいくらまで借入できるかを年収別にまとめてみましょう。

年収別借入可能額(フラット35)

年収 借入可能額
融資率
9割超
(金利 1.590%)
9割以下
(金利 1.330%)
350万円 2,817万円 2,936万円
400万円 3,756万円 3,915万円
500万円 4,695万円 4,894万円
600万円 5,634万円 5,873万円
700万円 6,573万円 6,852万円
800万円 7,512万円 7,831万円
900万円 8,000万円 8,000万円

フラット35ローンシミュレーションにて計算
※返済期間は35年を想定
※フラット35の借入上限額は8,000万円なため、年収900万円における借入可能額は8,000万円としています。

前述した8,000万円プラン(23区内で100㎡の土地購入+RC造3階建てガレージハウスを建築)を実現するには、フルローンなら年収900万円、1,000万円程度の頭金を用意できる場合でも年収700万円が最低ラインとなってくるのです。

これは借入可能額を目一杯使った理論上の値で、オートローンなど別の借入があれば借入可能額は目減りします。さらに審査では前年・前々年の源泉徴収票提出が求められるので少なくとも2年間は連続して一定の年収を維持している必要があるのです。

このような事情から都市部におけるガレージハウス建築は経済的ハードルが高いと言わざるを得ないのです。

中古物件で実現するガレージライフ

新築に比べて低コストな中古ガレージハウス

中古ガレージハウスは新築に比べコスト面で非常に有利です。
新築や一般住宅に比べて中古ガレージハウスが優秀だといえるポイントをまとめました。

新築と比べ、好立地を選べる

同予算で考えた場合、中古ガレージハウスなら「より広い」または「より好立地」な物件を選択することができます。
中古物件価格は「土地+建物」の価値で決定されますが、築年数の経過とともに内訳に締める土地価格の割合が増していきます。
建物は徐々に価値が下がっていくが、土地の価値は相場変動はあれど大きく変わらない。とも表現できますね。

例えば、予算5,000万円だとして「A 1,000万円の土地に4,000万円の建物を建てる」「B 土地4,000万円/建物1,000万円の中古物件を買う」では将来価値が全く異なるのです。
Aの場合、建物は築年数とともに価値が下がっていくので将来的な売却を考えると不利ですが、Bなら仮に建物価値が0になっても土地価格で取引することができます。
Bも厳密には取り壊し費用を考慮する必要はありますが、Aとに比べて価値の目減りが少ないと言えるでしょう。

一般住宅と比べ、強固な構造

中古住宅となると耐久性が大きな懸念点ではないでしょうか。
その点、ガレージハウスは一般住宅と比べて強度の高い建材が使われていたりRC造で建築されているため、築年数が経過していても安心して居住できる物件が多く存在します。

また、趣味性が強いガレージハウスは施主や設計者が拘りを持って建築したため、ハイグレードな建具が使用されていることが多いです。
躯体や建具にコストが掛かっているにも関わらず中古価格には反映され難い部分なため、新築価格に対して中古物件の割安感があるのです。

リセールや賃貸転用への期待

全力投球で新築ガレージハウスを建てるのも良いですが、余裕を持った資金プランで中古ガレージハウスを探し、積極的に借入残高を減らしていくのも賢いやりくりと言えます。
中長期的には収入が増える可能性もありますし、ゆくゆく新築ガレージハウスにステップアップするという目論見も悪くないでしょう。

そこで重要になるのが中古ガレージハウスのリセールバリューや賃貸需要ですが、これも普通の住宅より有利と言えるでしょう。
ガレージハウスの場合、居住に限らず愛車を保管しておくセカンドハウスや事務所・アトリエ、カフェなどの店舗としての需要もあります。(用途地域によっては店舗利用不可な場合もある)
これらの借り手(買い手)は立地や建物構造を重視する傾向があるため、築年数だけでは測れない価値があるのです。

繰り上げ返済で早期に住宅ローンを終わらせ、賃貸として貸し出しながら、新築ガレージハウスに移り住む… 経済的負担を抑えた中古物件ならそんな賢い人生プランも可能なのです。

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